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■うるしの語源
うるしの語源は「麗し(うるわし)」とも「潤し(うるおし)」という説もあるように麗しいは美しいことを意味し、潤むは水に濡れたような艶やかさを意味します。
  神秘的な光沢、格調高い色合いは、年月がたつにつれ深みを増していきますも言います。漆(うるし)とは、ウルシノキ(漆の木)やブラックツリーから採取される樹液。漆・はウルシの木(ハゼ科)から採れる樹液です。
  最初は接着剤に使われ、防腐剤にもなってミイラなどの布を巻く際にも使用されています。その後、装飾用に塗料として発達し日本独特の手法・技術が生み出され日本の伝統工芸として現代に受け継がれています。漆塗は、japanとも言われ日本を代表する文化です。古来より石や鏃(やじり)を木とと固定するため接着や保護、補強の目的で使われ始め、中国のそれと交わり日本独特の漆文化を形成しました。
 
 
■うるし japan
漆を塗られた道具を、漆器と言う。漆はジャパン(japanもしくはlacquer)と呼ばれ世界に誇る漆文化を築きあげ、日本を象徴する工芸品となっている。
 
■漆の特徴
漆は「うるしの木」から採取される樹液です。採取方法は、樹幹に傷をつけて、滲み出る漆をヘラで取って筒にいれます。
 漆の樹より採取された原液漆には、樹の皮などの塵が入っています。これらの塵を濾過除去した漆を「生漆」(きうるし)と、いいます。
「生漆」は、乳白色ですが、空気に触れると直ちに酸化して褐色に変化します。主成分はウルシオールと言われる油です。 この油の中に水が分散し、乳液状になったものが漆です。 化学的には乳化重合体と言い、聞きなれた言い方ではエマルジョンとも言います。

 漆の硬化する過程は、牛乳が乾燥し半透明の硬い皮膜になる事と、物理的には同じですが、漆の場合少量のラッカーゼという酵素が、漆の硬化に深く関わっています。 この酵素が、空気中の水分から酸素を取り込み、酸化重合を促進し、硬い皮膜をつくります。
 漆が硬化するのに温度(25℃)と湿度(85%)が必要なのは、この酵素が活発になる条件で、お米を発酵させお酒にする酵素の場合と同じ様に、カビの発生しやすい環境が漆の硬化に最適とも言えます。
 酵素は生き物なので高温にすると死んでしまい、加熱した漆は常温では硬化しなくなりますが、150℃くらいに加熱すると硬化します。 これは、熱硬化性プラスチックのフェノール樹脂を金型で加熱する事で硬化成型する事と同じ現象で、昔は鉄砲や大砲、鉄鍋などに、錆び止めとして行われていました。

 漆は、酸やアルカリ、塩分、アルコール等に対しての耐薬性や防水、防腐性もあります。また、電気に対する絶縁性も持っています。

 漆の樹から採取された状態を〔原料生漆〕とよびます。これを精製したものを〔精製生漆〕と呼びます。 精製生漆を用途に合わせて次の3つの種類に加工されます。

  "生漆"〔きうるし〕"透漆"〔すきうるし〕"黒漆"〔ろうるし〕、色のあざやかな漆は、透漆から作られる"朱合い漆"〔しゅあいうるし〕をベースに色々な顔料を加えて作られます。          
 漆は、浸透力が有りその塗膜が乾固しても、なかで酵素が生き続けています。表面の色艶が褐色から徐々に透明感を増し、美しい色合いへあざやかに変化していきます。  これは、千利休が求めていた美の世界〔わび〕、〔さび〕、に通じるものがあります。 
■うるしは、環境に優しい素材
漆はうるしの木から採れる樹液で、化学合成せずに精製され塗り物として完成するまで、ほとんどエネルギーを消費しません。
  木は根に水を蓄え光合成により酸素を作り、二酸化炭素を蓄積します。漆粉は切傷、胃、潰瘍などの漢方薬として昔使われていて食器には最適な塗料です。漆はもっとも自然に近い人工加工が少ない素材です。そのため生産にエネルギーを使わず、有害な副産物を発生させることも少ない環境に優しい素材なのです。
  「生漆」は、主に漆器の下地用、摺り用、建築の柱や天井板(シックハウスに効果的)に使用されています。
環境ホルモンを出さないので地球に優しい自然塗料の『うるし』を使っているから、体に優しい環境に優しい漆器です。
■漆とかぶれ】
生の漆が肌につくとかぶれるが、これはウルシオールによるアレルギー反応である。ウルシオールが重合した漆器では、かぶれることは無いので安心されたい(まれに、作られて間もない場合、重合され残ったウルシオールが揮発し、かぶれることもある)。なお、ウルシオールのアレルギーを持つ人は、漆の木の近くを通過しただけでもかぶれることがある
■漆器は塗りなおせます

 漆器は塗りなおして使い続けることが出来る貴重な道具のひとつです。
長年の間には、木地は全く傷んでいないのに表面だけ使いキズが付いたり、変色したり、艶がおちたりしてきます。そんなときは、(例えば汁椀などは酷使される内側だけでも)塗りなおすことで生まれ変わったようになります。
縁が欠けたりキズが深くて木地や下地(塗りの下に施すもの)が見えてしまった様な場合、木地が湿気や油を吸ってしまっているのでなおしは大変です。キズは浅い程なおりが良いし安くすみます。
■うるしは結構すごいです

 一番優れた性質といって良いと思うのは、酸にもアルカリにも強い事です。塩や醤油やお酢程度ではまったく侵されません。塗料という面から見ても、硬度が高く熱にも比較的強いといえます。そして天然素材であり塗り肌も美しく手触りも気持ちが良い。漆が日常雑器の塗装に長い間使われてきた理由です。
CGI